映画の感想 君たちはどうイキるか
初日だしネタバレ回避のため見たいからは続きからどうぞ
とりあえず思ったことの殴り書きのような感じなので、あまりきれいな文章が期待しないで下さい。
さて、今回の宮崎駿映画は日テレも宣伝してこないという異例なプロモーションだが、
公開初日の日中に見てきました。
個人の主観ではあるが宣伝殆どないような映画の公開初日にしてはしっかり人が入っていたように感じた。ここら辺はある意味宮崎駿のブランド力というべきか。
本題の映画の感想ですが。3行でまとめると以下の通り
1に関しては映画見終わったとき米津玄師の楽曲が流れた瞬間、おおっ!と思った。
予想を裏切り、期待を裏切らなかった。
半面、米津玄師が最後閉めてくれないとどうなってたんだろう?
2につながる部分ではあるが、今回の君たちはどう生きるかは、宮崎駿というイキり老人が自分にしかできないアニメ表現を、自分の癖を見せつけているような良くも悪くもやりたい放題映画だったといっておこう。
米津玄師もTwitterで書いていたが、脚本どさっと渡され、EDの曲作れといわれて、この映画をある意味まとめ挙げた楽曲を提供していたので、もう宮崎駿の代弁者として生きていけるのではというくらいうまく映画を表現した、最後、地球儀が流れてよかったなと思う曲だったなと思った次第である。
2に関しては本当に今までの宮崎駿のセルフパロディなのではと思うような、全く過去作と似ても似つかないような、どこかで見たことあるような、宮崎駿の色はこれだというべきか、表現された造形、演出が随所に施されているかつ、今回の君たちはどう生きるかがだれでもない宮崎駿以外には作れないだろう唯一無二の表現だったと思わされた。
眞人はステレオタイプなジブリ男子だなとしみじみ思ったり。ジブリ飯もあり、ラピュタのような人間離れした動き、インコの王様はジブリのマッチョ枠。子供に受けそうなかわいい系キャラもおさえつつ。なんかナウシカっぽい大叔父様とか。
多分あの映画の唯一の特異点はアオサギの存在だったんじゃないだろうか?俺は宮崎駿にそんなに詳しいわけでもないが、ああいうタイプのキャラは思いつかない。ある意味ティザー時点で唯一露出していた彼の存在こそが作品としての君たちはどう生きるかたらしめていたのかもしれない。
あと個人的な邪推だが、このタイトルは映画を見た人に向けていて、宮崎駿の好き放題やった生き様みたいなこの映画を見て、君たちはどう生きるんだ?俺はこんなことやったんやぞ?みたいな見せつけでもあったんじゃないかと。マジで宮崎駿がやり残したこと無いよう、自分の癖をありったけ詰め込んだんじゃなかろうかと思わせる映画だった。
3はそんな宮崎駿の癖をありったけ見た人たちは何を思うのか、私には想像がつかない。映画見終わった後、ガチで放心状態みたいな、考え込んでしまっているのかわからない人がいたり、あれってなになにっぽいよねと癖の部分を指摘したり、過去作となんか比較した乾燥してる声が聞こえたり、素直に面白かった!とシンプルな感想をしてる感じがしなかった。正直自分は1でも言った通り米津玄師がうまく話しまとめて歌にしてくれてるような感じで、あれがないとどういう感想もったらいいのかわからなかったかもしれない。難解と表現するかわけわからんと表現するか、いったい何だったのか、深い考察とかは生まれるかもしれないし、分かった感じのパヤオファンがものすごく具体的な解釈をしてくれるかもしれないが、自分の中では正直ストーリーとかはどうでもいいのかもしれない。
だからこそこの映画は俺はこう思ったが、他人が見たらどんなこと思ったんだろうかというのは素朴な疑問として持ってします。両手放しで最高!みたいにならないので他人の感想がすごく気になるのであった。
ひねくれたまとめ方をすれば中身とか、わりとどうでもよくて、イキり老人の癖をみせつけられ、君たちはどうイキるんだ?おれはこうだぞ?という映画だったんじゃないかと。
ある意味そんな映画誰がどうやって宣伝するんだ?
答えは沈黙だったのかもしれない。
そんな中この映画をうまく現代的な表現に落として歌にした、米津玄師には重ね重ね大役を全うしたことを非常に素晴らしかったと評したい。
余談だが、何となく眞人が一人で夏子を塔に探しに行った後の展開は何となく新海誠の映画をほうふつとする場面があったような気がしたが、もしかしたら何かそういうのに触発されて宮崎駿戻ってきたんじゃないかとか、どうでもいいことを考えたりもした。俺には君らよりやれるとか
追記なんだが、昭和の描写に関して正確性はわからんが、あの時代にちょうど生まれた宮崎駿が描く戦時下の日本の描写ができる人ってほかにいないんじゃないかと思った。なんか時間がたったときに貴重な資料になり得たりするんだろうか?
BGM - M八七 米津玄師